エヌビディア株急落、ディープシークの台頭がAI業界に波紋

2025-01-28

米半導体大手エヌビディア（NVIDIA）の株価が急落し、市場に大きな衝撃が走った。2025年1月27日、ニューヨーク株式市場でエヌビディア株は前週末比24.20ドル（16.97％）安の118.42ドルで取引を終え、時価総額は約6000億ドル（約93兆円）も消失した。この急落の背景には、中国の新興企業ディープシーク（深度求索）が低コストで高性能な人工知能（AI）モデルを開発し、エヌビディアの主力製品であるAI向け半導体の需要減退への懸念が広がったことがある。

ディープシークは2024年12月に無料の大規模言語モデルを公開し、わずか2カ月で約560万ドル（約8億7000万円）の開発費で競合するチャットGPTを凌ぐ性能を実現した。これにより、エヌビディアのAI向け半導体需要が減少する可能性が指摘され、市場の信頼が揺らいだ。特に、ディープシークのAIモデルがデータセンターではなく、携帯電話やパソコンで使用される点が、エヌビディアのビジネスモデルに直接的な影響を与えると見られている。

市場関係者からは、ディープシークの登場がAI業界の競争構造を変える「スプートニクの瞬間」と評されるなど、その影響力は大きい。一方で、エヌビディア株の急落は過剰反応との見方もあり、一部の投資家はこれを「押し目買いの好機」と捉えている。シノバス・トラスト・カンパニーのダニエル・モーガン氏は、エヌビディアのデータセンター向けチップ需要は依然として堅調であり、今回の売りは過剰反応だと指摘している。

今後、エヌビディアがどのようにこの状況に対応するかが注目される。ディープシークの台頭は、AI業界全体に新たな競争をもたらすとともに、半導体需要の構造変化を引き起こす可能性がある。

ＡＩ株にディープシークの衝撃、エヌビディアは約5930億ドル消失

中国の低コスト人工知能（ＡＩ）モデルの出現が米半導体大手エヌビディアのようなＡＩリーダーの優位性を脅かすことへの懸念から、２７日は世界的にハイテク株が売られた。

jp.reuters.com

エヌビディア株暴落、93兆円吹き飛ぶ　中国企業が高性能AI開発 | 毎日新聞

　米ニューヨーク株式市場で27日、半導体大手エヌビディアの株価が暴落し、前週末比24・20ドル（16・97％）安の118・42ドルで取引を終えた。中国の新興企業ディープシーク（深度求索）が、低コストで米企業並みの高性能の人工知能（AI）を開発し、エヌビディアの主力製品であるAI向け半導体の需要が減る

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